お隣・釜石市両石に本社を置くTRS食品さんは、北海道の職人さんから学んだイクラの加工技術を代々受け継ぐ会社。独自ブランドである潮風堂は、原点とする大槌の浜の潮風を忘れず、三陸の気候と風土を活かした商品づくりに取り組んでいくという思いが込められています。
今回は鮮魚や水産加工品を手掛ける事業者さんを対象とした「生産者」ページの取材で伺ってきました!
大槌町の北部に位置する吉里吉里地区にTRS食品さんの営業所はあります。
吉里吉里といえば、やはり吉里吉里海岸。白い砂浜と遠浅の海で、夏場はファミリー向けの海水浴場としても人気のスポットです。地名の由来は諸説あり、アイヌ語で「白い砂浜」を意味する「キリキリ」から来たという説や、海岸の砂浜が「キリキリ鳴る」という鳴り砂から来た説などがあります。
海岸の隣には、吉里吉里フィッシャリーナというプレジャーボート専用の係留・保管施設があり、一帯は緑豊かな公園として整備されています。マリンレジャーの拠点としてはもちろん、散歩やジョギングのコースや、釣りスポットとして地域の人に親しまれているエリアです。
ちなみにフィッシャリーナとは、「フィッシュ(Fish)」と「アリーナ(Arena)」を組み合わせた造語なのだとか。
今回は釜石市両石町にある本社へおじゃまし、お話を聞いてきました。
三陸沿岸道路の釜石両石インターチェンジを降りると間もなく、山間に加工工場が立ち並ぶエリアが見えてきます。
さっそく営業部長の田中茂さんが出迎えてくれました。
私は直接お会いするのが初めてです。
まずは「初めまして、大槌孫八郎商店の…」と、ご挨拶。
すると田中さんはにっこり笑い、
「いいねぇ、その訛り。大槌の人だねぇ」
緊張もあってか、内なる大槌魂が騒いだのか…
私は無意識に“おーづづまごはじろーしょーてん”と発音していたようです。
りぴーとあふたみー
おーづづまごはじろーしょーてん
イントネーションを矢印で表すなら、
→ ↑↑→→→→→ ↑ ↓
おーづづまごはじろーしょーてん
(異論は認めます)
もちろん、田中さんの訛りも温かかった…。
私が特に印象に残っているお話が、イクラの硬さの好みのお話。
「口の中、吹っ飛んで歩くようなイクラが好きな人も居るべ?」
口の中で弾むような、プチプチとしたイクラが好きな人。
逆に、トロッと舌の上でとろけるようなイクラが好みな人。
いざ、どっち派?と聞かれると、迷ってしまいます。炊き立てご飯と一緒ならプチプチ、お寿司ならトロっ…のように、食べ方によっても意見が分かれるところかもしれません…!
TRS食品さんが手掛ける国産かつ最高級の3特イクラは、粒がしっかりしているのに口の中でとろけるおいしさで、豊洲でも評判の人気商品だそうです。
そして、まごはちでお馴染みの商品と言えば、
潮風堂の「骨まで食べる焼き魚」のシリーズ!
県外のイベントに出店した際、お客様から「お魚が焼けないのよねぇ」という声が多く、心底驚いた田中さん。詳しくお話を伺ってみると、マンションなので匂いが気になる、そもそもフライパンなどの調理器具を持っていない、高齢なので火を使うのが怖い…などのご事情が。そこで田中さんたちは、病院や老人ホームにもお魚を卸していた経験も活かし、誰でも簡単においしく食べられる焼き魚の商品開発に取り掛かったのだそうです。
そして生まれたのが、湯煎や電子レンジで調理でき、骨まで食べられるこの商品でした。
サクッと絶品の「チーズ入り鮭フライ・鱈フライ」は冷凍のまま揚げるだけ。
岩手県産のサケとタラは丁寧に骨を取っており、お子様でも食べやすく仕上げているそうです。ご飯のおかずはもちろん、個人的にはパンに挟んで食べるのもおすすめ。独自に研究を重ねた結果、八枚切りのトーストを軽く焼き、千切りキャベツとウスターソースと一緒に贅沢なサンドイッチにしたところ、至高のおいしさでした。ぜひお試しあれ。
あっ、カレーの上にトッピングしても最高でした!…つまりは、目移りしちゃうおいしさなのです。
今回の取材を通して、お客様に寄り添う商品を手掛ける田中さんたちの思いを再確認したことはもちろん、人と人の心を一気にぎゅっと近づけてくれる故郷の訛りって素敵だな…と実感した一日でした。
TRS食品さん、お忙しい中ありがとうございました!
今回の取材をもとに作成した潮風堂の「生産者」ページはこちら。